マリモで有名な北海道、阿寒湖。その南西にそびえるのが雌阿寒岳だ。
　近くには阿寒の名が冠された山が二つあり、それぞれ雄阿寒岳、阿寒富士と呼ばれている。
　名前からすると、標高は低く思いがちだが三山の中では一番高く、その標高は１４９９ｍ。次いで阿寒富士の１４７６ｍ、雄阿寒岳の１３７１ｍとなっている。言うなれば、阿寒岳夫婦のちょっと背の高い子供が阿寒富士、といった感じだろうか。
　また、三山はそれぞれ火山なのだが、活火山なのは雌阿寒岳のみである。アイヌの人々は、雌阿寒岳をマチネシリ（女の山）、雄阿寒岳をピンネシリ（男の山）と呼んでいて、言われてみれば端正な山容の雄阿寒岳に比べると、起伏のある雌阿寒岳のほうがゆったりとした印象に見て取れる。
　その山肌にはメアカンフスマやメアカンキンバイの咲く姿を間近に見ることが出来る。
　時々、癇癪をおこして噴火することはあるけれど、花で着飾ることは忘れない、というわけだ。